準確定申告~贈与税、相続時精算課税選択も~

節分の豆まきをしました。

鬼のお面が怖い子供達は、私がお面をかぶると怒りだします。

節分は親が楽しいものなのかもしれないと感じました。

ところで、今年は、雪が降りませんね。私が小さい頃は、節分前後には雪が積もったように思います。

雪にカルピスをかけて、みんなで食べたことが思い出されます。

 

さて、確定申告シーズンとなりました。

昨年中にご親族が他界された方はこの時期に次の点にご注意ください。

 

〇他界されたご親族は、昨年の所得について「所得税の納税義務はなかったか?」

→納税義務は相続人が承継します。

 事業をされていた方や、土地建物譲渡等がある方はご注意ください。

 領収証や請求書を集計して、税務署に申告相談に行きましょう。

→申告期限は、お亡くなりになった日から4ヵ月です。急いで申告されてください。

 

〇他界されたご親族は、昨年の所得について「所得税の還付が受けられないか?」

→還付を受ける権利も相続されています。

 給与所得者等で、会社から源泉徴収票が送られてきた場合、還付を受けられるか否か確認してみましょう。

 (自分で考えるより、税務署に行って聞いてみると良いと思います。)

 

〇他界されたご親族をご自身の所得税計算上の扶養に入れられないか?

→高齢者の中には、所得が比較的低い方がいらっしゃいます。

 その方は、皆様の扶養に入れる可能性がありますが、多くの場合、扶養控除漏れになっています。

 生前にかえって、過去5年間、皆様の所得税の還付が受けられる可能性がありますので、ぜひ、ご検討を。

 (お亡くなりになられた年は、扶養したのが年の途中までであっても、扶養控除を取ることができます。)

 

〇他界されたご親族は、昨年の売上高について「消費税の納税義務はなかったか?」

→他界されたご親族が事業をされていた場合には、ご注意ください。準確定申告が必要です。

→どのような申告形態で消費税を申告していたかが重要です。

 まずは、過去2年程度の消費税の申告書を探してみてください。

 

〇他界されたご親族は、昨年の贈与について「贈与税の納税義務はなかったか?」

→申告期限はお亡くなりになった日から10ヵ月です。少し、のんびり対応ができるかもしれません。

→まずは、贈与があったかなかったの確認が必要です。義父・義母・祖父母等に贈与の有無をご確認ください。

 

〇他界されたご親族は、昨年の贈与について「相続時精算課税制度の適用を受けようと検討していなかったか?」

→相続時精算課税を活用すれば、2500万円までの贈与は課税されません。

 しかし、期限内申告が要件です。

 結果、申告忘れは多額な納税につながります。

→相続人全員が同意し申告書に連署すれば、他界されたご親族について相続時精算課税制度の適用が受けられます。

→ただし、相続人は「相続時精算課税制度の適用を受けた他界されたご親族の地位」を承継し、贈与者死亡時の相続税申告に参加する必要があります。

 

〇これらの申告については、相続人が2名以上いる場合には、国税庁が作成した「申告書付表」を添付して提出することになっています。納税義務も法定相続分で一旦は承継します。ご注意ください。

 

執筆 公認会計士・米国公認会計士・税理士 金田充弘