事務所通信 7月号 銀行融資について

最近、銀行融資に関するご相談をお受けする機会が増えました。

決算が終わり、銀行の格付け更新が行われる時期だからでしょうか?

 

さて、銀行融資については、

「なぜ、借りられたのか(なぜ借りれないのか)」

を正確に理解しておくことが重要だと思います。

 

銀行は、

1、経営者の事業に対する考え方・方針・熱意

2、業況・財務状況・債務償還年数・返済状況

から「今回の融資が回収できるか?」をテーマにお金を貸しています。

 

まず、第一に銀行は経営者の事業に対する熱意を見ています。

経営方針や、事業の採算性、自社の短所や長所を良く理解し説明できる経営者にはお金を貸したいと考えます。

事業計画書をつくり、経営者の考え方を伝える努力をすることは、この点で有意義です。

 

次に、融資の背景となる「過去の業績と将来の業績予測」はとても大切です。

熱意だけでは返済はできません。

 

毎期黒字経営を続けることは重要です。

この時、臨時的に発生した赤字(火災損失や役員退職金、創業赤字等)は除外して黒字か否かを判断します。

 

しかし、黒字だけでは不十分です。

黒字幅が債務償還に十分であることが必要不可欠です。

具体的には、償還可能額(当期純利益+減価償却費ー予定投資額)を基準に、

毎年の約定返済額が償還可能額の範囲内であること、もしくは

償還可能額の10年分(償還可能額✖10倍)よりも借入金残高が小さいことが求められます。

(銀行の評価や貸出条件・金利を気にしないのであれば、10年より長くても良いのですが・・・)

 

そして、なにより、債務超過でないことは必要不可欠な要因です。

また、過去に返済が滞ったことがないことも求められます。

 

また、機会を見て詳しく書きたいと思います。

 

★粉飾は、無意味です。

 発見された粉飾は、銀行員により補正され「実態財務諸表」が作成されます。

 実態財務諸表作成後は、基本実態ベースで融資判断が行われます。

 

★特に、減価償却費の粉飾は無意味です。

 償還可能額に1円の影響も与えませんので、すぐにやめてください。