消防団の操法大会が終わりました。
3カ月間、最初は週3、最後の1ヵ月半は週6で続いた訓練が終わりほっとしています。
1番員の先輩の方々にホースを巻いていただき、指導員に見守られながら、大会でまっすぐホースが投げられたことが何よりうれしかったです。本当にありがとうございました。
また、九大前整骨院の院長先生には大会当日までテーピングを巻いてもらい感謝しております。
恩返ししなければと深く感じました。
さて、事業承継税制が大きく変わりました。
ポイントとしては、
①従業員の雇用継続要件が実質的に不問になったこと。
②「事業承継税制を利用した先代経営者から後継者への株式贈与の後」であれば、「その他の株主からの株式贈与についても、事業承継税制の対象となる」こと。
③赤字継続等を要因に会社の売却等があった場合には、一定の条件のもと、納税額の再計算が行われること。
です。
私個人としては②が最も重要と思っています。
先代、先々代が株式を分散してしまった結果、後継者が株式の集約を求められるケースは多々あります。
その際に、親族なのだから「お金を介さず贈与で・・・。」という話はよく起こります。
このようなケースでは、事業承継対策実行時の贈与税の納税資金確保が課題でした。
納税猶予が使えるのであれば、事業承継はより簡単になります。
一方で、その他の株主からの株式贈与を受ける場合、マイナスもあります。
その他の株主からの株式贈与について事業承継税制を適用するということは、結果的に「その他の株主が他界した場合に、経営者は、その他の株主の相続税の申告に参加しなくてはいけない」ことを意味します。その他の株主の他の相続人は、事業承継税制を適用した後継者に相続税の申告(その他の株主の相続財産の全てが載っている財産目録)を見せなくてはならなくなるのです。
その他の株主の相続人は嫌な顔をするでしょう。
相続人でもない方に、相続財産の全てをさらさなくてはならないのです。
便利な制度ができましたが、「他人の相続税の申告に参加しなくてはならない」という大きなデメリットがあるため、現状としてはお勧めできないと感じています。
この問題、根本的には、遺産をもらった方々がそれぞれ別々に相続税の申告ができる遺産取得税方式に課税方式を変更すれば解決できます。そもそも、「法定相続人の数が多ければ税金が下がる」「相続人みんなで協力しないと申告できない」という今のシステムは不合理ではないかとしばしば感じます。
おかしいものは、正せばいいと思うのですが。
(10年前位に税制改正大綱にも載ったのですが・・・。実現はしないのでしょうか?)
補記
余談になりますが、私個人としては、H29年までに事業承継税制を活用せずに事業承継対策を終えられた方々で、②その他の株主からの株式贈与について納税猶予を受けたいと思っていらっしゃる方を救済すべきではないか?と不満を持っています。
H29年までの事業承継税制は、正直、使いたくなるような制度ではなかったと思います。それにより、事業承継税制を利用せずに事業承継対策を終えられた方々はたくさんいらっしゃいます。
しかし、「仮に、その他の株主からの株式贈与に納税猶予の適用があれば事業承継税制を使った方」はいくらかはいらっしゃったのではないでしょうか。
その方々に、その他の株主を対象とした事業承継税制を使用する可能性を開いても良いのではと思います。
H31改正に期待です。
執筆 公認会計士・米国公認会計士・税理士 金田充弘