先日地元の神社のお祭りのお手伝いに行って来ました。
しめ縄をつくり、焚火をし、出雲大社に出かけていく神様を送るお祭りでした。
私の郷里、下関でも、祖父と父がしめ縄を編んでいました。懐かしい気持ちになりました。
息子たちを連れていき、楽しい時間を過ごさせていただきました。
写真は、神社で拾ったどんぐりです。
そんな中で、夜の飲み会中にこんな質問がありました。
皆様にも紹介します。
Question
タンス預金には相続税はかからないですよね?
Answer
タンス預金にも、もちろん相続税がかかります。
タンス預金は「税務署に見つからない」という方がいらっしゃいます。
しかし、これは誤解です。
★誤解が起こる理由
私が思うには、
そもそも相続税がかからない方(死亡者の90%以上は相続税の納税義務がありません)のタンス預金には税務署は興味さえも持ちませんので、世の中の大多数の方のタンス預金には確かに相続税がかかりません。
このことが結果的に、タンス預金には相続税がかからないという誤解を生んでいるのではないかと思います。
または、相続税の調査が行われた際に、他に大きな論点があり、タンス預金が結果的に論点にならなかったというケースもあるかもしれません。こういったケースで「タンス預金はばれない」という経験則を持たれた方もいらっしゃるようです。
しかし、
★国税庁の調査結果では・・・
毎年、「相続税の税務調査での追徴の結果」を国税庁が統計を取り、報告していますが、毎回現金預金が追徴対象のトップです。
これは、「タンス預金」と「名義預金」と「海外預金」があるからだと言われています。
「現金を隠している可能性」は常に税務署員の頭の中にあるのです。
「相続税が課税される方のタンス預金は常に税務署から興味を持たれているという認識が必要」です。
★税務調査では・・・
多角的に預金残高の異常性がチェックされます。
①被相続人の過去の通帳の入出金履歴のチェック
②被相続人の過去の所得状況のチェック
③被相続人の生活状況・趣味・お金の使い方のチェック
④相続人(子供)の通帳の入出金履歴のチェック
⑤相続税の調査時に家屋内の動産(宝飾・現金等)のチェック
等々、多角的に調査が行われます。
そんな中で、何となくタンス預金の存在が見え隠れしてきます。
★私の経験上も・・・
私の過去の経験上も、家族構成、勤め先、財産の構成等から、何となくタンス預金の存在が浮かんでくることがあります。
特に、子供がいらっしゃらず兄弟姉妹に相続がおよぶケースでは、財産規模の予測が容易で、
「タンス預金がありますよね?」とお伺いすると、ほぼ100%タンス預金があります。
私達でも、簡単に予測がたつのですから、税務署が予測できないはずがありません。
★税務面ではないデメリットこそ・・・
最近、次のような話が頻繁に耳に入ります。
〇介護ヘルパーさんが「タンス預金」を盗難した。100万円無くなっていた。
〇遺産処分業者を雇ったら「タンス預金がなくなった。」結果的に親族にはお金が渡らなかった。
(司法書士さんの中には、遺産処分業者の質をチェックするために、現預金をあえて放置しておくという方もいらっしゃいます。報告があれば、良い業者、報告がなければ悪い業者ということになります。)
〇タンス預金を親族がこっそり持って帰った。
〇火災でタンスごと燃えた。
〇水害で全て流れた。
〇盗難にあった。しかし、タンス預金があったということを証明できなかった。
〇介護施設に入った後、空き家になった家にタンス預金が置いてある。
不安で夜も眠れない。
皆さんの大切な財産を「タンスに入れておくことが一番危険」です。
★次世代の方のことも考えて・・・
タンス預金の相続税の申告を行わないと、相続人たちも当該タンス預金を「タンス預金」として保有し続けなければならなくなります。
預金に入れれば、税務署に発見されてしまいます。
「税務署にばれるかも・・・、所得漏れと誤解されるかも・・・、盗難されるかも、火事にあうかも・・・」
こういったご不安な思いを相続人様にもさせて良いのでしょうか?
タンス預金はやめましょう。
誰も、得しません。