相続税の節税!というだけでは、人は動かない?暦年贈与に必要な目的性

本日は、久しぶりに日中に事務所勤務でした。

妻とランチに行きました!・・・が、行く予定だった最近できたレストランが平日なのに(糸島なのに)予約でいっぱいで入れず・・・。

先日の紅葉狩りといい、失敗の連続です。

 

さて、本題です。

 

質問

相続税の節税をしたいと思い、祖父に暦年贈与を打診しました。

しかし、祖父はいっこうに首を縦に振りません。

どうしたら、祖父の首を縦に振らせることができるでしょうか?

 

回答

難しい問題です。

私が常日頃から、思い描いている理想像は、暦年贈与に目的を持たせることです。

  

「相続税の節税対策のために、現金を贈与して・・・」と、仮に、将来の自分が言われたらどんな気持ちがするでしょう?

自分であれば、「そんなの大した額じゃないから、払っとけよ。」と思うと思います。

 

しかし、

「もう一回、大学に行って学びなおしたいからお金貸してよ。」

「結婚式するから、お金を貸してよ。」

「最近、息子の大学の学費負担が大きくて、家族全員がつらいんだ。息子の大学の学費を貸してくれないか?」

といった言い方で、贈与を促されればどうでしょう?

考えは変わる可能性が出てくるように思います。

 

人の心は、目的があれば動くものではないか、と思っております。

 

目的という意味合いでの私のお勧めは、信託預金をつくる方法です。

孫Aのために、子Bが管理する学費・医療費・結婚費用等の必要費にしか使えない預金通帳をつくります。

この通帳にお金を入れれば、自分が死んだ後も、かわいい孫の必要費にのみお金を使ってもらえます。

祖父母様・父母様の贈与には、喜びが加わると思います。

 

暦年贈与に目的を!ぜひ、ご検討ください。

 

次のような方法を実践している方もいらっしゃいます。

 

~実践例1~

贈与を受けた後には、毎年、きちんとお礼を言うこと、毎年、会いに行くことが大切です。

 

会いに行ってお礼を言われると人の心は動くようです。

 

~実践例2~ 

ある税理士事務所では「贈与パーティー」を提案しているとも聞きます。

贈与を受けた側が、祖父母様・父母様にお礼をする食事会です。

たしかに、これも心動かされるでしょう。

 

~実践例3~ 

訪問頻度をあげることも重要です。

年に1度や2度の訪問で、贈与してくれるはずはありません。

自分の場合、最低10回と思っています。

アドバイザーとしての自分も、暦年贈与提案先に年間5~10回は訪問しているように思います。

 

経験的に、 最初の贈与が始まるまで、訪問回数10回程度が必要と考えています。

(10回くらいお会いしていたら不思議と暦年贈与が始まります。)

その後は、目的性の確認(学費とか、医療費とか、生活費の支援とか)を年に2回程度していけば・・・万事うまくいくことが多いです。

 

人間味のある相続対策ができればいいな・・・と常日頃思っております。

 

~今日の結論~

暦年贈与は目的性を!あげる側に納得感を!

最初の贈与をうまくいかせるためには、10回訪問する意気込みで~。

それ以降は、目的性の確認で、少ない訪問回数でもうまくいきます。

 

執筆 公認会計士・米国公認会計士・税理士 金田充弘